過去一年の間、書店員自身が自分で読んで「面白かった」、「お客様にも薦めたい」、「自分の店で売りたい」と思った本を選び、全国の書店員の投票で決まる いちばん!売りたい本「本屋大賞」。2025年度の大賞・各部門賞が決定しました。
法務局に勤める野宮薫子は、溺愛していた弟が急死して悲嘆にくれていた。弟が遺した遺言書から弟の元恋人・小野寺せつなに会い、やがて彼女が勤める家事代行サービス会社「カフネ」の活動を手伝うことに。弟を亡くした薫子と弟の元恋人せつな。食べることを通じて、二人の距離は次第に縮まっていく。
やさしくも、せつない。心にそっと寄り添ってくれる物語です。
岩手県出身、在住。2008年『屋上ボーイズ』(応募時タイトルは「いつまでも」) で第17回ロマン大賞を受賞しデビュー。著書に『どこよりも遠い場所にいる君へ』『また君と出会う未来のために』『パラ・スター〈Side百花〉』『パラ・スター〈Side宝良〉』『金環日蝕』『カラフル』などがある。
本屋大賞のすべての投票を網羅した発表号、4/11(金)頃発売!
大賞だけが「本屋大賞」じゃない! このなかに掲載されているすべての本が書店員のおすすめです♪
『本屋大賞2025』
本の雑誌社/880円(税込)
2025年4月11日発売
負けるもんか――、母親たちの熱闘甲子園!
声のかからなかった甲子園常連校を倒すことを夢見て、湘南のシニアリーグで活躍する航太郎が進学したのは、大阪の新興校だった。息子とともに母親の奈々子も大阪に拠点を移すことに。
不慣れな土地での暮らし、厳しい父母会の掟、激痩せしていく息子。果たしてふたりの夢は叶うのか!?
描かれるのは生きることの屈託と大いなる人生賛歌!まったく新しい高校野球小説の開幕です!
君はなぜ、小説を読むのか?
5歳で読んだ『走れメロス』をきっかけに、内海集司の人生は小説にささげられることになった。12歳になると、生涯の友・外崎真と出会い、小説家が住んでいるというモジャ屋敷に潜り込む。そこでは好きなだけ本を読んでいても怒られることはなく、小説家・髭先生は二人の小説世界をさらに豊かにしていく。
しかし、その屋敷にはある秘密があった。
これはフィクション。しかし虚構ではない。読むことを愛するすべての「あなた」が主人公の、祝福の物語。
「俺たち」は誰なんだ――。
救急医・武田の元に搬送されてきた身元不明の溺死体は、自分と瓜二つだった。彼はなぜ死んだのか、そして自身との関係は何なのか、武田は旧友の医師・城崎と共に調査を始める。しかし鍵を握る人物に会おうとした矢先、相手が密室内で死体となって発見されてしまう。自らのルーツを辿った先にある、思いもよらぬ真相とは。
過去と現在が交錯する、医療×本格ミステリー!
銀座の街に、人魚が逃げた?
ある3月の週末、SNS上で「人魚が逃げた」という言葉がトレンド入りした。「王子」と名乗る謎の青年の不可解な言動に、人々は興味を持ち始める。その頃、銀座を訪れていた元タレントや、高級クラブのママ、賞の選考結果を待つ作家ら5人が、それぞれ人生の節目を迎えていた。「王子」は人魚と再会できるのか。そもそも人魚はいるのか、いないのか......。
幸福度最高値!物語と向き合う物語です。
俺は世界を戦慄せしめているか?
自らの名に無数の季節を抱く無二の舞踊家にして振付家の萬春(よろず・はる)。
少年は8歳でバレエに出会い、15歳で海を渡った。
同時代に巡り合う、踊る者 作る者 見る者 奏でる者――
それぞれの情熱がぶつかりあい、交錯する中で彼の肖像が浮かび上がっていく。
彼は求める。舞台の神を。憎しみと錯覚するほどに。
一人の天才をめぐる傑作長編小説です。
プロポーズの翌日、恋人が盗撮で捕まった。
カメラマンの新夏は啓久と交際5年。東京駅の前でプロポーズしてくれた翌日、啓久が通勤中に女子高生を盗撮したことで、ふたりの関係は一変する。「二度としない」と誓う啓久とやり直せるか、葛藤する新夏。啓久が"出来心"で犯した罪は周囲の人々を巻き込み、思わぬ波紋を巻き起こしていく。
信じるとは、許すとは、愛するとは。
男と女の欲望のブラックボックスに迫る恋愛小説です。
今度の語り手、何かが違う――。
とある家電メーカー総務部勤務の尚成は、同僚と二個体で新宿の量販店に来ています。体組成計を買うため......ではなく、寿命を効率よく消費するために。この本は、そんなヒトのオス個体に宿る◯◯目線の、おそらく誰も読んだことのない文字列の集積です。
人間という種、共同体の圧力、多様性への違和感。新しい視点で価値観を揺さぶる衝撃の最新長編です。
〈俺、二年E組が大好きなんで〉
死んだはずの山田と、二Eの仲間たちの不思議な日々がはじまった――。
夏休みが終わる直前、山田が死んだ。飲酒運転の車に轢かれたらしい。山田は勉強が出来て、面白くて、誰にでも優しい、二年E組の人気者だった。
二学期初日、突然、教室のスピーカーから山田の声が聞こえてきた。山田の魂はどうやらスピーカーに憑依してしまったらしい。
10代男子のバカバカしくも楽しい会話劇にも注目!笑って泣ける青春ミステリーです。
成瀬、ますますパワーアップ!?
成瀬の人生は、今日も誰かと交差する。「ゼゼカラ」ファンの小学生、娘の受験を見守る父、近所のクレーマー主婦、観光大使になるべく育った女子大生......。個性豊かな面々が新たに成瀬あかり史に名を刻む中、幼馴染の島崎が故郷へ帰ると、成瀬が書置きを残して失踪しており......!?
2024年本屋大賞を受賞した人気作、待望の続編です。
たとえば、持ったことがない〈転ばぬ先の杖〉、あるいは、切れる音を聞いたことがない〈堪忍袋の緒〉、または、あおいだことがない〈左うちわ〉、そして貰ったことがない〈冥途の土産〉。こういうものは、どこに行ったら手に入れられるのでしょうか?このような素朴な疑問とニーズに応え、この世のさまざまなる「ないもの」たちを、古今東西より取り寄せて、読者の皆様のお手元に届けてくれます。
ブックファーストでは、
第5回PUSH!1st.として『ないもの、あります』を大プッシュ!
クラフト・エヴィング商會さんのインタビューの掲載の特集ページは、こちら!
焼けつくような恋と、死を。
竜の騎手たちが魔法の力で国防を担う国ナヴァール。20歳のヴァイオレットは、母親の命令でバスギアス軍事大学に入学して騎手を目指すことに。だがそこは、入学者の大半が命を落とす死と隣り合わせの場所だった。第四騎竜団(Fourth Wing)の冷酷な団長ゼイデンに命を狙われるヴァイオレット。しかし有能で魅力的な彼に強く惹かれてゆき......。
彼女を待ち受ける極限状態での恋、友情、そして命懸けの戦いの行方は――。
〈ロマンス×ファンタジー〉話題のロマンタジー小説が、翻訳部門第1位に!
シリーズ第2巻『フォース・ウィング2(仮題)』は、2025年4月23日刊行予定です!
手がかりはすでに集められている。
――殺されると予言された、被害者本人によって。
ミステリ作家の卵であるアニーは、大叔母の住む村に招かれた。16歳のときに占い師に「いつかおまえは殺される」という予言され、奇妙な老婦人として知られている大富豪の大叔母。アニーが屋敷に到着すると、大叔母は図書室の床に倒れて死んでいた。両手には血、そばには白薔薇が落ちていた。予言を信じた彼女が、約60年をかけ調査した記録を手がかりに、アニーは犯人探しに挑む!
犯人当てミステリの大傑作です。
私が経験したことのすべてが結晶になる。
済州島4・3事件を生き延びた母を持つインソンは、親友キョンハと映画制作の約束をした。認知症の母を看病の末に看取った葬儀の時だ。それから4年、家族や職を失い、遺書も書いていたキョンハのもとへ、インソンからメールが届く。島へ向かったキョンハは彼女が4年間ここで何をしていたかを知る。インソンの母が命ある限り追い求めた真実への情熱も......。
いま生きる力を取り戻そうとする女性同士が、歴史に埋もれた人々の激烈な記憶と痛みを受け止め、未来へつなぐ再生の物語です。