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第173回 芥川賞・直木賞

2025.07.17
注目商品

第173回芥川賞・直木賞は、両賞ともに「該当なし」となりました。
どちらも「該当なし」となるは、1997年度下半期の第118回以来27年半ぶりで、史上6回目。
惜しくも今回受賞はなりませんでしたが、候補作はいずれも傑作ばかり! この機会にぜひご一読ください。

第173回 芥川賞 候補作はこちら

『トラジェクトリー』

日本に逃げたアメリカ人と、かつてアメリカに憧れた日本人。
2人の人生の軌道<トラジェクトリー>がすれ違う時、何かが起きる――

英会話教師として日本で就職したブランドンは、アポロ11号の月面着陸計画の記録を教材に、熟年の生徒・カワムラとレッスンを続ける。
やがて、2人のあいだに不思議な交流が生まれていく。

アメリカ出身の作家が端正な日本語で描く、新世代の「越境文学」。
ニューオーリンズにフォークナーと小泉八雲の残影を見る珠玉の短編「汽水」を併録。

グレゴリー・ケズナジャット
文藝春秋/1,980円(税込)
2025年7月17日発売

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『鳥の夢の場合』

「おれ、死んでもうた。やから殺してくれへん?」

彼の胸に耳を当てた。するとたしかに心臓が止まっていた――。シェアハウスに住まう2人と1羽の文鳥。ひとつ屋根の下、同居人の蓮見から初瀬にもたらされた、気軽で不穏な頼み事。

夢と現、過去と現在、生と死。あちらとこちらを隔てる川を見つめながら、「わたし」が決断するまでの55日。

駒田隼也
講談社/1,760円(税込)
2025年7月14日発売

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『たえまない光の足し算』

ここは帰るべき家を持たない少年少女たちの残酷な楽園

「かいぶつ」と呼ばれる時計台が見下ろす公園で出会った2人の少女とひとりの青年。
美容外科のポスターに啓示を受け、花を食べる"異食の道化師"薗(その)。
「みんなのひと」になりたくて、フリーハグを続ける"抱擁師"ハグ。
"プロの軟派師"としてデビューしたばかりの弘愛(ひろめぐ)。「こんなふうだったら、かんぺきだと思う」
「なにが」
「人と人とのむすびつきがさ」

若者たちの生を鮮烈な文章で描く、21歳の新鋭が爆発させる愛と幻想の世界!

日比野コレコ
文藝春秋/1,980円(税込)
2025年7月17日発売

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踊れ、愛より痛いほうへ』

アンノは踊る。アンノは「割れる」。

幼い頃から納得できないことがあると「割れる」アンノは、かつて母のおなかにいたはずの「妹」が自分のせいでいなくなったことを知り、衝撃を受ける。高校生になったアンノは、恋愛を疑い、家庭を拒否して、家の庭にテントを建てて暮らし始めるが――。

初小説『いなくなくならなくならないで』に続き、2作続けてのノミネート。

向坂くじら
河出書房新社/1,870円(税込)
2025年6月24日発売

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第173回 直木賞 候補作はこちら

『ブレイクショットの軌跡』

夢と希望と欲望を乗せて1台の車が駆ける!

自動車期間工の本田昴は、同僚がSUVブレイクショットのボルトをひとつ車体の内部に落とすのを目撃する。一方アフリカの大地では、少年が家族を守るため、牛1頭を差し出すかわりに、ある武装勢力の兵士となった――。
紛争、差別、格差社会、マネーゲーム、特殊詐欺、誹謗中傷、炎上など、移り変わっていくブレイクショットの所有者を通して、現代社会の様々な問題が浮き彫りに。

人間の多様性と不可解さをテーマに、8つの「軌跡」を描きます。

逢坂冬馬
早川書房/2,310円(税込)
2025年3月12日発売

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『乱歩と千畝 RAMPOとSEMPO』

探偵作家と外交官。
まだ何者でもなかったふたりが友となり歴史を変えた!

大学の先輩後輩、江戸川乱歩と杉原千畝。希望と不安を抱え、浅草の猥雑な路地を歩き語り合い、それぞれの道へ別れていく......。
若き横溝正史や巨頭松岡洋右と出会い、新しい歴史を作り、互いの人生が交差しつつ感動の最終章へ。

「真の友人はあなただけでしたよ」――若きふたりを斬新な発想で描く波瀾万丈の物語。


青柳碧人
新潮社/2,420円(税込)
2025年5月14日発売

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『嘘と隣人』

知りたくなかった。
あの良い人の"裏の顔"だけは......。

ストーカー化した元パートナー。マタハラと痴漢冤罪、技能実習制度と人種差別、SNSでの誹謗中傷、脅し。
リタイヤした元刑事の平穏な日常に降りかかる事件の数々。身近な人間の悪意が白日の下に晒された時、捜査権限を失った男・平良正太郎は、事件の向こうに何を見るのか?

背筋が寒くなる反転の快感。注目作家による新境地連作ミステリー。

芦沢央
文藝春秋/1,760円(税込)
2025年4月23日発売

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『Nの逸脱』

日常の奈落へ、ようこそ。

爬虫類のペットショップで働く金本篤は、売れ残ったフトアゴヒゲトカゲを引き取るため「ある男」を強請って金を得ようと一計を案じる。だが、自ら仕掛けた罠が思いがけぬ結末を呼び込んでしまう......。(「場違いな客」)

何の変哲もなかった日常から、ある日突然"逸脱"していってしまう3人の人物を描いた短編集。

夏木志朋
ポプラ社1,760円(税込)
2025年1月22日発売

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『逃亡者は北へ向かう』

人生を変えるために青年は北を目指した。

震災直後に殺人を犯し、死刑を覚悟しながらもある人物を探すため姿を消した青年・真柴亮。刑事の陣内康介は津波で娘を失いながらも容疑者を追う。ふたりはどこへ辿り着くのか──。

著者の地元・東北を舞台に、過酷な運命に抗う人々と「生」への渇望を描く、震災クライムサスペンス。

柚月裕子
新潮社/2,090円(税込)
2025年2月27日発売

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踊りつかれて』

誰かが死ななきゃ分かんないの?

言葉が異次元の暴力になるこの時代。
不倫を報じられ、SNSで苛烈な誹謗中傷を受けた人気お笑い芸人・天童ショージは自ら死を選んだ。
一方、バブル期の華やかなりし芸能界を駆け抜けた伝説の歌姫・奥田美月は写真週刊誌のデタラメに踊らされ、人前から姿を消した。
彼らが目にした絶望、それは――。

「誹謗中傷」をテーマに、社会派作家が世に放つ衝撃作。

塩田武士
文藝春秋/2,420円
2025年5月27日発売

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