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第15回PUSH!1st.「デッドボール」

2024.03.01
Push!1st.

スピーディーでサスペンスフル!
二転三転する展開に振り回される快感!!

デッドボール

木内一裕/講談社/660円(税込)

仕事なし、彼女なし、借金あり。とにかくツイてない。律儀なことが唯一の取り柄。そんなノボルに持ちかけられたのは、絶対に失敗するはずのない完全誘拐計画。その報酬は一千万円。人生を立て直すためのたった一度の犯罪。そう誓って受けたこの仕事。だが彼は、身に覚えのない事件の殺人犯になっていた。圧倒的な速度、驚異的な面白さ! 映画『藁の楯』で話題になった、これが木内エンターテインメント!

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講談社 文庫出版部/大久保杏子さんのコメント

 絶対に失敗しない誘拐とは? そんな発想から『デッドボール』は始まりました。皆さんご存じ漫画『BE-BOP HIGHSCHOOL』著者である木内一裕さんの小説の魅力は「想像を絶するほどのリアリティとスピード感」です。そしていま、最も注目される作家・木内さんの魅力がギュッと詰まった作品、それが『デッドボール』です。
 「この先の展開、常人だったら絶対に考えつくはずない......!」と思うような展開も、あっと驚く登場人物たちの行動によって鮮やかに飛び越えていきます。木内さんは、我々編集者には一章が書き上がるごとに原稿を渡してくださるのですが、いつも「早く続きが読みたいです!」とお伝えしています。純粋に読者として、まったく続きが読めないからです。次の章が書き上がるまでの数週間、私たちは好きな連載漫画や小説の続きを待ちきれず、次号の雑誌の発売を指折り数えていた子どもの頃の気持ちを思い出すのです。そして、何よりの魅力は、登場人物たちのキャラクターです。主人公のノボル(『BE-BOP HIGHSCHOOL』がお好きな方はピンとくる名前かもしれません)は彼女もいないし、仕事もない。ちょっと頼りのない若者ですが、この彼がとてつもなく強烈な男たちと出会うことで少しずつ成長していきます。私個人の好きなキャラクターは、ノボルの前に立ちはだかる最強で最悪の敵、成宮です。どんなキャラクターなのか、ぜひご自身の目で確かめてください。すべての登場人物に感情移入ができる、これが木内作品の魅力なのです。
 そこで話は戻りますが、皆さん、「絶対に失敗しない誘拐」とはどんな犯罪だと思われますか? もしこの回答がすんなり出てきたら、あなたは最強の犯罪者になれるかもしれません。あっと驚く正解は、ぜひ『デッドボール』で確認してください! 

著者来歴

1960年福岡生まれ。1983年『BE-BOP HIGHSCHOOL』で漫画家デビュー。2004年、初の小説『藁の楯』(講談社文庫)を上梓。同書は'13年に映画化もされた。最新刊は『嘘ですけど、なにか?』(講談社)。

〈開催期間:2017年1月1日(元日)~ 2月11日(土)〉
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