2011/09/10更新

ビブリア古書堂の事件手帖 - 栞子さんと奇妙な客人たち -

三上 延

アスキー・メディアワークス/620円(税込)

古都、鎌倉の片隅でひっそり営業している古書店。その店主は、内気で心優しい美貌の女性。大好きな古書にまつわる謎を紐解いてゆく彼女を、全く本を読まない「俺」の視点で穏やかに描いた、優しくも心温まる日常ミステリーです。本が大好き、それだけでも本好きは大共感ですが、漱石や太宰の古書に関するうんちくの数々にも、思わずにんまりと口元が緩むこと請け合いです。

(池田店/文庫担当 佐藤のおすすめ 2011.09.10)

東電OL殺人事件

佐野 真一

新潮社/740円(税込)

冤罪。その言葉の孤独や恐怖や絶望感は、きっと当事者にしか理解出来ないことでしょう。昼は一流企業のOL、夜は娼婦だった女性が殺害。逮捕された男は冤罪を訴え、裁判は長く長く続き、つい先日新たな事実が判明。大きなニュースとなりました。事件の過程を、ノンフィクションの大家である筆者が、3年間を費やし綿密な取材を重ねて書き纏めたのがこの1冊。圧巻です。

(池田店/文庫担当 佐藤のおすすめ 2011.09.10)

九月が永遠に続けば

沼田 まほかる

新潮社/660円(税込)

今、ひそかなブームを巻き起こしている作家です。2004年、本作にてホラーサスペンス大賞を受賞しデビュー。一貫して人の闇の奥底を覗き込むような作品を世に送り続けていました。登場人物の辛らつな人間描写や醜い過去は、一見読者を拒絶しているのではないかと思うほどに容赦がありません。本作でも、ある日突然失踪した息子とその母を軸に、絡まる人間関係を醜悪になまなましく描いていきます。しかし、読み進めれば読み進めるほどに、そのおぞましさの中に、ある異様な美しさが潜んでいることに気づいていく・・・。小説の醍醐味とは何かを感じさせてくれる1冊です。

(仕入企画 松田のおすすめ 2011.08.08)

巴里の空の下オムレツのにおいは流れる

石井 好子

河出書房新社/661円(税込)

1963年に暮らしの手帖社から発売されて以来、ずっと愛され続けてきた名著が待望の文庫化。著者が過ごした1950年代の巴里の雰囲気と共に紹介される料理の数々。読んでいて、美味しそう!と思わず言葉に出してしまいそうな、楽しいエッセイです。

(自由が丘店/文庫担当 中村のおすすめ 2011.08.10)

風待ちのひと

伊吹 有喜

ポプラ社/672円(税込)

心に傷を負った39歳の男女。同い年の2人が偶然出会って…。生きていくことは辛く厳しいけれども、同時にこんなにもいとおしい。読後にとてもあたたかな気持ちになります。

(自由が丘店/文庫担当 中村のおすすめ 2011.08.10)