「For You」
想いは必ず、
あなたのもとに届く。
時を、場所を超えて繋ぐ、
ノスタルジック純愛ミステリー。
五十嵐貴久 著
祥伝社／本体743円＋税
最愛の叔母・冬子が急逝した。映画雑誌の編集者である朝美は、遺品整理で訪れた叔母の部屋で古びた日記帳を見つける。そこには叔母の青春が綴られていた。
1980年代、高校二年生だった冬子のクラスに転校生・藤城篤志がやってくる。冬子は彼が教室に入ってきたときから、惹かれるものを感じていた。
文化祭、初詣で、江ノ島への小旅行……。共通の思い出が積み重なり、冬子の想いは募っていくが、藤城には何か秘密があるようで……。
1980年代、高校二年生だった冬子のクラスに転校生・藤城篤志がやってくる。冬子は彼が教室に入ってきたときから、惹かれるものを感じていた。
文化祭、初詣で、江ノ島への小旅行……。共通の思い出が積み重なり、冬子の想いは募っていくが、藤城には何か秘密があるようで……。
作家五十嵐 貴久さん
＜著者来歴＞
1961年東京生まれ。成蹊大学卒業後、出版社勤務。
2001年『リカ』で第二回ホラーサスペンス大賞を受賞し、小説家デビュー。エンターテインメント小説を幅広く手がける。
著書に『炎の塔』『愛してるって言えなくたって』など多数。
【著者】五十嵐 貴久さんのコメント
「ブックファーストさんの『ＰＵＳＨ！１ｓｔ』に、五十嵐さんの『Ｆｏｒ Ｙｏｕ』が選ばれました」
祥伝社の担当編集者からのメールに、喜びや嬉しさより、どうして？ というワードの方が先に浮かびました。『Ｆｏｒ Ｙｏｕ』は２０１１年２月に文庫化されています。発売から８年近く経っている本をなぜ今？ と思ったのですが、もしかしたら“今”だからこそ選んでいただけたのかもしれません。
『Ｆｏｒ Ｙｏｕ』は８０年代を舞台にした恋愛小説です。スマホもインターネットもない時代の、人生でたった一度の恋を、ノスタルジックに、ロマンチックに、有り体に言えば大甘に描いています。ですが、扱っているテーマは、書いた頃よりも“今”真剣に向き合うべきものだと、個人的には考えています。
「もし君が愛を求めるなら、僕はきっとこう言うだろう。世界は愛で満ちているんだよって」
これは映画『ラブ・アクチュアリー』冒頭のナレーションにある台詞ですが、「そうは思わない」「甘いこと言ってるんじゃないよ」という方も多いでしょう。
今、世界中でさまざまな問題が起き、怒りや憎悪、罵りの言葉を声高に叫び、怒鳴る人が増えているのは事実です。それが現実だと言われれば、そうかもしれません。
それでも、私は信じています。たとえ千年後であっても、差別や怒りや偏見や争いが世界からなくなると。だって、その方が楽しいに決まっているから。でしょ？（笑）
最後に『Ｆｏｒ Ｙｏｕ』を『ＰＵＳＨ！１ｓｔ』にお選びいただいたことを、ブックファースト様に感謝します。これを機会に、多くの皆様と出会えることを願っています。