あなたの瞳もきっと輝く! 読むほどに元気と唾液が湧いてくる 働くみんなの奮闘応援小説! (お弁当つき) 山本 甲士 著小学館/620円+税
一九六三年生まれ。主な著書に、平凡な人が騒動に巻き込まれる『とげ』『つめ』、小さな奇跡と人生の岐路を描く『ひろいもの』『かみがかり』、素人がプロ作家になるまでを描いた『そうだ小説を書こう』、老女が静かにトラブルを解決する『ひかりの魔女』、他に『運命のひと』など。
このたびは、『PUSH!1st.』の一冊に拙著『ひなた弁当』を選んでいただき、誠にありがとうございます。 物語の主人公は、五十歳を目前にしてだまし討ちのような形でリストラされた、気が弱くてお人好しな男です。再就職先が見つからず、妻や娘からは冷たくされて八方ふさがり。しかし彼は、公園に落ちているものを見てひらめきます。ドングリって、昔の日本人にとっては主食だったのではないかと。 彼は、食べられる野草を調べて採取し、さらには川魚を釣ったりエビを獲ったりして調理するうちに、いつの間にかタフなハートを獲得します。それは「その気になれば人間、飢え死にすることなんてないのだ」という生きる自信でした。 さらに彼は、身近な食材を使った『ひなた弁当』を作って販売し始めます。もちろん細々とした事業なので頑張ってもおカネ持ちになんてなれません。かつかつの日々です。その代わり、毎日身体を目一杯動かして働くお陰で食べ物もお酒もやたらと美味しくなり、夜はぐっすり眠れるようになりました。数は少ないながらも『ひなた弁当』の熱心なファンたちに愛されて、利害関係のない友人たちができました。それは、誇り高く生きる道を見つけたということでした。 私は、誰にでも潜在能力というものがあると信じています。それを引き出すことなく人生を終えてしまうこともありますが、何かのきっかけや出会いがあれば、本人さえも予想だにしなかったことができてしまったり、大変身をとげてしまったりするかもしれないのです。本作には、そんなメッセージをこっそりともぐり込ませました。 さて、本との出会いも、読んだ人の潜在能力を刺激するきっかけを作ってくれる、ちょっとした「事件」です。私自身、これを読んでなかったら今の自分はいないかもしれないと思う本が何冊かあります。 書店員さんは、本の作り手と読み手をつなぐキューピッドのような存在です。これからも、読者の方々の人生に刺激的な変化をもたらす矢を放ち続けていただきますよう、お願い致します。
山本甲士
2018年8月31日(金)~ 10月11日(木)まで
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【著者】山本 甲士さんのコメント
このたびは、『PUSH!1st.』の一冊に拙著『ひなた弁当』を選んでいただき、誠にありがとうございます。
物語の主人公は、五十歳を目前にしてだまし討ちのような形でリストラされた、気が弱くてお人好しな男です。再就職先が見つからず、妻や娘からは冷たくされて八方ふさがり。しかし彼は、公園に落ちているものを見てひらめきます。ドングリって、昔の日本人にとっては主食だったのではないかと。
彼は、食べられる野草を調べて採取し、さらには川魚を釣ったりエビを獲ったりして調理するうちに、いつの間にかタフなハートを獲得します。それは「その気になれば人間、飢え死にすることなんてないのだ」という生きる自信でした。
さらに彼は、身近な食材を使った『ひなた弁当』を作って販売し始めます。もちろん細々とした事業なので頑張ってもおカネ持ちになんてなれません。かつかつの日々です。その代わり、毎日身体を目一杯動かして働くお陰で食べ物もお酒もやたらと美味しくなり、夜はぐっすり眠れるようになりました。数は少ないながらも『ひなた弁当』の熱心なファンたちに愛されて、利害関係のない友人たちができました。それは、誇り高く生きる道を見つけたということでした。
私は、誰にでも潜在能力というものがあると信じています。それを引き出すことなく人生を終えてしまうこともありますが、何かのきっかけや出会いがあれば、本人さえも予想だにしなかったことができてしまったり、大変身をとげてしまったりするかもしれないのです。本作には、そんなメッセージをこっそりともぐり込ませました。
さて、本との出会いも、読んだ人の潜在能力を刺激するきっかけを作ってくれる、ちょっとした「事件」です。私自身、これを読んでなかったら今の自分はいないかもしれないと思う本が何冊かあります。
書店員さんは、本の作り手と読み手をつなぐキューピッドのような存在です。これからも、読者の方々の人生に刺激的な変化をもたらす矢を放ち続けていただきますよう、お願い致します。
山本甲士