寺山修司が、自身が「名言」と感じた言葉を一挙に並べたのが本著。
映画の名セリフ、詩、小説、スラング……、もちろん自著からもセレクトされています。
名言集を読むというと「何か自分のものにしなくては」と肩に力を入れてしまいがちですが、本著はどこからでも開け、読み流しても自己嫌悪に陥ることのない気楽さが漂います。
眺めて楽しい名言集とでも言いましょうか。とはいえ、どの言葉も力強く普遍的で、読む度に必ず新たな発見があると思います。それが、若い方から著者をリアルタイムで知る世代まで、広く、そして長く読み続けられている理由ではないでしょうか。
本との出会いは運命です。
今こそ、ぜひ手にとっていただきたいと思います。
(角川書店 編集局/ 藤田 有希子)